AVR-CDC は、USB コントローラを持たない汎用の AVR マイコンを用いて USB と RS-232C の変換をする技術です。Object Development 社の V-USB によって低速(Low Speed モード)の USB 信号を生成し、その上に CDC  (Communication Device Class) プロトコルを拡張したものです。PC からは USB デバイスが仮想的な COM ポートとして通信できるようになります。

 Low-Speed USB で CDC プロトコルを動かすアイデアは、いしかわきょーすけ氏の実験に基づいており、Object Development 社のスタルコハン氏の協力を得ながら改良を進めました。Low-Speed での 3つのエンドポイント生成とバルク転送は規格外の動作となるため、Windows 版はドライバにパッチを当てています。

 この技術は実験的なものですが、自作の電子装置を手軽に PC とインターフェースしたいときに試してみてください。回路は簡単ですが、使いこなすには相応のスキルが必要です。実用性を求める方、電子工作やドライバ組み込みに不慣れな方は FTDI 社などの専用チップを使ってください。

 ロースピードのバルク転送モードは新 OS では動かせなくなりつつあります。USB 技術の実験材料として楽しんだ後は、HID モードで使うか、コントローラ内蔵マイコンに移行してください。

※ Windows 8 以降では、CDC デバイスを認識すると INF ファイルを参照せずに標準の CDC ドライバをロードします。フィルタドライバによるパッチを挿入できないため、AVR-CDC は動作しません。

 AVR-CDC への長らくのご愛顧ありがとうございました。
 Windows 環境では、今後は PIC16F1454 や CH340 などをお使いください。

Infomation

2009/07/20  更改
2009/08/24  Windows 2000 ドライバ修正
2010/02/06  CDC-SPI 追加
2010/02/28  CDC-232 修正
2011/06/24  CDC-232 修正

line

テンプレートのpondt